呼吸の質を上げて整える

呼吸

呼吸は、静かに、しかし確実に、
体の状態に影響しています。

前回は、そんな「呼吸の働き」について見てきました。
(前回の記事:深呼吸で整える


そして今回は、
もう一歩踏み込んで、
「呼吸の質」という視点から見ていきます。


同じように呼吸をしていても、
その“中身”によって、体への影響は変わります。


■ 口呼吸と鼻呼吸

日常の中で、無意識にやってしまいがちなのが
「口呼吸」です。

・気づくと口が開いている
・寝ているときに口が乾く
・運動中に口で息をしている

こういった状態が続くと、
呼吸の質は少しずつ下がっていきます。


一方で、人間にとって自然なのは「鼻呼吸」です。

鼻には、
空気を温める・湿らせる・異物を取り除く
といったフィルターの役割があります。

つまり、
ただ空気を取り込むだけでなく、
“整えた状態で体に入れている”ということです。


さらに、

・口や喉の乾燥を防ぐ
・ウイルスや細菌の侵入を防ぐ

といった働きもあります。


一方で、口呼吸になると、

・口の中が乾燥しやすくなる
・細菌やウイルスが直接入りやすくなる

といった状態になります。


呼吸は常に行われているものなので、
この差は、少しずつ積み重なっていきます。


また、口呼吸の状態が続くと、
口元の筋肉の使い方にも偏りが出やすくなり、
結果として、ほうれい線や口元のたるみにもつながる可能性があります。


さらに、鼻呼吸は自然と呼吸がゆっくりになりやすく、
体を落ち着かせる方向に働きます。

これも、自律神経の流れとつながっています。


■ 呼吸は「速さ」だけではない

呼吸というと、
「ゆっくり吸って、ゆっくり吐く」というイメージが強いですが、

それに加えて

・どこから呼吸しているか(鼻か口か)
・どのくらい静かにできているか
・体に無理な力が入っていないか

といった要素も、すべて「質」に含まれます。


呼吸が浅く速い状態は、
体が常に軽く緊張している状態とも言えます。

逆に、
静かで深い呼吸ができているとき、
体は回復しやすい状態に近づいていきます。


■ 瞑想という“呼吸の使い方”

ここで少しだけ、
「瞑想」にも触れておきます。

といっても、特別なことではありません。


瞑想というと、
難しそうなイメージがあるかもしれませんが、

やっていることはとてもシンプルで、
「呼吸に意識を向けること」です。


■ まずは何分ぐらい?

初心者であれば、
3〜5分程度で十分です。

いきなり長くやろうとすると、
逆に集中できなくなります。


慣れてきたら
5分 → 10分と伸ばしていけばOKですが、

大切なのは「長さ」よりも
**“続けること”**です。


■ 座り方はどうすればいいか

姿勢は、できるだけシンプルで大丈夫です。

例えば、

・椅子に座る
・床にあぐらをかく

どちらでも問題ありません。


共通して意識するポイントは、

・背筋を軽く伸ばす
・無理に力を入れない
・リラックスできる状態をつくる

このあたりです。


いわゆる「正しい瞑想の姿勢」にこだわる必要はありません。

大切なのは、
無理なく、続けられることです。


■ 呼吸のリズム(秒数の目安)

呼吸は、まずはこのぐらいのリズムで十分です。

・鼻から4秒で吸う
・口または鼻から6〜8秒で吐く


ポイントは、
吐くほうを長くすることです。


吐く時間が長くなると、
体は自然と落ち着く方向に働きます。

これは、自律神経の働きとも関係しています。


■ うまくできなくても問題ない

やってみると、

・雑念が出てくる
・集中できない
・呼吸が乱れる

こういったことは普通に起きます。


ですが、それで大丈夫です。

気づいたら、また呼吸に戻る。
それを繰り返すだけで十分です。


むしろこの「戻る」という動き自体が、
体と意識を整える練習になります。


■ 呼吸に意識を向ける意味

呼吸に意識を向けると、
自然と呼吸が整っていきます。

そしてそれに合わせて、
体の状態も落ち着いていきます。


つまり瞑想は、
「呼吸を通して体を整える方法のひとつ」と言えます。


■ 特別なことは必要ない

ここまで読んでいただくと、
何か新しいことを始めないといけないように感じるかもしれません。


ですが実際には、

・口ではなく鼻で呼吸する
・少しだけゆっくり呼吸する
・ときどき呼吸に意識を向ける

これだけでも、十分に変化は起きてきます。


呼吸は、
もともと備わっている機能です。

だからこそ、
“整える”ことに大きな負担はかかりません。


そしてこの小さな変化は、
積み重なることで、体の状態に確実に影響していきます。


呼吸は、
自律神経に直接働きかける数少ない手段のひとつです。

この視点は、とても重要です。


朝起きた直後や、寝る前の数分に取り入れると、習慣にしやすくなります。
すでにある行動の前後に組み込むと、無理なく続けやすくなります。


次は、
この「自律神経」という部分にもう少し踏み込んで、
呼吸との関係を見ていきます。


コメント

タイトルとURLをコピーしました